事業承継問題

 

 

あなたの会社は未来でも残っていますか?

 

円滑な事業承継がなされないと、あなたの会社が、未来では残っていない可能性が高くなると言われています。

  

事業承継が大きな問題に 

少子高齢化が大きな問題になっていますが、中小企業もご多分に漏れず経営者の高齢化と後継者不在が問題になっています。 

経済産業省が平成13年に行ったアンケートでは、経営者の平均年齢が60歳に手が届く状況です。 

70歳になっても経営を第一線で行っていく経営者もいるでしょうが、多くの経営者は70歳には経営の第一線から引退するものと思われます。 

その中で、後継者を既に決めている方は全体の約4割に過ぎません。 

あと6割は事業の承継者が未定、不在の状況にあるとの調査結果が出ています。

  

 

事業承継は遠い将来の問題なのか 

毎日の事業活動とそれに伴う経営活動を行っている経営者の方々には、事業承継問題は遠い将来の話のように思っている方が多いものと思います。 

悲しいことですが、人生は引き算です。 

70歳を引退年齢と考えると、70歳から現在のご自分の年齢を差し引いた年月しか、事業承継のための時間が残されていません。 

事業承継のための時間が残り少なくなってきていることに早く気付く必要があります。

  

 

事業承継を放っておくと生じる色々な問題 

事業承継は、ご自分の代には直接影響がありません。 

しかし、もし万が一、社長が病気や怪我で倒れたらどうします? 

後に残された人たちには、何も準備がされていない会社だけが残されたことになります。

 また、後継者がいたとしても株式の散逸を防ぐ手段を講じておかないと相続公平の原則により後継者以外のご子息、ご息女に株式が相続財産で引き渡される可能性が高くなります。 

「我が家の子供たちに限って相続財産でも揉めることはないよ。」 

このように言いきれることができますか?

 

当社に、相続で問題解決のために相談にみえる方は、普通の家庭の長男、長女の方です。 

不思議なことに長男、長女の方からの相談ばかりです。

 

二男、次女の方から、相続財産の法定相続分による公平な分割を申し出られ、相続財産を処分して金銭に変える必要に迫れらている方が圧倒的に多いのが現実です。 

こうなると後継者の方は、事業承継をスムースに行なおうと思っても、相続財産を他の相続人に分配する必要に迫られ、会社の持ち株を売却せざるを得ない羽目に陥りかねません。 

事業承継による社業の発展どころの話ではありません。

 

事業承継協議会が平成186月にとりまとめた「事業承継ガイドライン~中小企業の円滑な事業承継のための手引き~」及び中小企業庁が作成した「事業承継ガイドライン29問29答」は、『円滑な事業承継に失敗する例が数多く存在している。』ことを指摘しています。

 

事業承継協議がとりまとめた事業承継ガイドラインは、「親の目が黒いうちには円満だった親族関係が、その死去とともに、重しがとれたかのように利害の対立が先鋭化し、ひいては親族内で絶縁といった例は、一般的な家庭でも起こりうることでしょう。 

その上、日常では起こりえない規模の財産の譲渡が絡んだり、一生を左右するような企業経営の負託を受ける等の事業承継問題が議論されるとなると尚更です。」と円滑な事業承継の必要性を指摘しています。

 

また、事業承継ガイドラインは、「事業承継トラブルを抱えた企業では、社業が発展するどころか、経営に悪影響を及ぼし始めるというのも無理からぬところでしょう。 

実際に、先代経営者が元気だった頃には隆々としていた企業が「お家騒動」とともに業績を悪化させていくようなケースは数多く存在します。」と指摘しています。

 

 

事業承継ガイドラインによると

事業承継協議会がまとめた「事業承継ガイドライン」及び中小企業庁が作成した「事業承継ガイドライン29問29答」によれば、事業承継の方法は以下の3つに大別されます。

事業承継協議会の「事業承継ガイドライン」による3つの事業承継の方法

事業承継協議会がまとめた「事業承継ガイドライン~中小企業の円滑な事業承継のためにの手引き~」及び中小企業庁が作成した「事業承継ガイドライン29問29答」によれば、事業承継には、以下の3つの方法があります。

①親族内承継

②従業員等への承継

③M&A

事業承継ガイドラインを取りまとめた事業承継協議会及び「事業承継ガイドライン」は以下をクリックして頂ければ閲覧可能です。

事業承継協議会はこちらをクリック

事業承継ガイドラインはこちらをクリック

事業承継ガイドライン29問29答を作成した中小企業庁の事業承継のHP及び「事業支援ガイドブック29問29答」は以下をクリックして頂ければ閲覧可能です。

中小企業庁 事業承継のHPはこちらをクリック

中小企業庁 「事業承継ガイドブック29問29答」はこちらをクリック

事業承継協議会は、中小企業における事業承継の重要性を再認識し、その円滑化のために必要な取組の総合的検討及び実施するため、平成17年10月に事業承継協議会を設立し、中小企業基盤整備機構に事務局が設置されました。

中小企業庁が作成した「事業支援ガイドブック29問29答」は次のように事業承継について投げかけています。
「現状で手一杯で先々のことを考えるのは面倒だ・・・」「まだ先のことだから・・・」「後継者がなかなか見つからない・・・」と事業承継対策を先送りにしていませんか?

「対策をせずに放置していると、いざ事業承継という時に、相続を巡ってもめ事が起きる、後継者が経営ノウハウを知らない、取引先・従業員の信頼を得られない、といった問題が生じ、最悪の場合、廃業に至ってしまいます。そのようなことにならないためにも、事前に、後継者の候補者を見つけ、その候補者を育成し、徐々に経営権を移していくといった計画的な取組みが大切です。」と述べています。

① 親族内承継

❐ 親族内に事業承継者がいれば心情的にも受け容れ易い

 

現社長のご子息、ご息女、親族や娘婿等の親族内で事業承継をすることが日本では最もポピュラーでしょう。 

また、親族内に事業承承継者がいれば、社員も納得しやすいですし、会社に関係する財産を事業承継者に集める方向で相続させる準備を行なうことで事業承継の準備が適正になされる可能性が高まります。 

事業承継ガイドラインがまとめた親族内承継のメリットには次の3つがあります。 

1つ目は、内外の関係者から心情的に受け容れ易い。 

2つ目は、後継者を早期に決定し、後継者教育等のための長期の準備期間を確保することが可能。 

3つ目は、相続等により財産や株式を後継者に移転できるため、他の方法に比べて、所有と経営の分離を会費できる可能性が高い。

 

事業承継ガイドラインがまとめた親族内承継のデメリットは次の2つです。 

1つ目は、親族内に、経営の資質と意欲を併せ持つ後継候補者がいるとは限らない。 

2つ目は、相続人が複数いる場合の、後継者の決定・経営権の集中の困難性。

 

② 従業員や外部への承継

❐ 従業員や外部への承継のむずかしさ

 

社長の親族に後継者がいない場合、従業員や外部への承継も有力な事業承継策として中小企業庁の事業承継ガイドラインは採り上げています。

 

この場合、3つの問題点があると当社は考えます。 

a、事業を承継させる前経営者から事業後継者は会社の株式を適正額で買い取ることが可能なのか。

b、会社の連帯保証債務や担保提供債務を後継者が負うことが可能なのか。

c、関係者からの理解を得ることが可能なのか。

 

先ず、aの事業承継者が会社の株式を適正額で買い取ることが可能なのかという点ですが、多くの従業員や外部の事業承継者は株式を買い取るような資力を持っていない場合が多いのが現実です。 

また、金融機関から借り入れを行ない、株式を購入することに対して事業承継者の婦人等が賛成するのかどうかが不明な場合が多いことです。 

特に、ある程度の年齢になった時点で多額の借入金を背負うことは事業承継者のみならずそのパートナーである夫人にとっても大きな負担になる可能性が高くなるのではないでしょうか。 

この問題は現社長の引退後の資金をどう用意するのかという問題と密接に結びついているので充分な準備が必要になることはいうまでもないでしょう。

 

同様に、従業員などが後継候補となった時、会社が金融機関に対して負っている負債の連帯保証人になること(人的担保)が可能であるのかという点や物的担保である抵当権などを銀行等に差し出すことが可能なのかという点が問題になります。 

これ等の問題は、一朝に片付くことではないので充分な準備と事業承継者のみならず現社長が事前に入念な準備を行なう必要があります。 

このように従業員や外部の者への事業承継は、口で言うほど生易しい問題ではなく越えなければならない壁がいくつもある点を頭に入れておく必要があります。 

また、社長交代後に社業が傾くような事態が起きた場合、これらの問題をクリアーしておかないと経営権を譲る現社長が株価の評価額が急落したり、人的債務や担保権の実行を受けてしまう恐れがある等のリスクを抱えたままでの事業承継となってしまいます。

 

事業承継ガイドラインがまとめた従業員や外部への承継のメリットは以下の2つです。

 1つ目は、親族内に後継者に適任なものがいない場合でも、会社の内外から広く候補者を求めることができる。 

2つ目は、特に社内で長期間勤務している従業員に承継する場合は、経営の一体性を保ちやすい。

 

事業承継ガイドラインがまとめた従業員や外部への承継のデメリットは次の2つです。

 1つ目は親族内の承継の場合以上に、後継候補者が経営に強い意思を有していることが重要となるが、適任者がいないおそれがある。 

2つ目は、後継候補者に株式取得等の資金力がない場合が多い。 

3つ目は、個人保証債務の引き継ぎ等の問題。

 

以上のデメリットは、当社が従業員や外部への承継で危惧した問題点と重なる部分が多いものと思われます。

③ M&A

M&Aはれっきとした事業承継策だと認められています

 

M&A?! 会社の乗っ取りか!

 

 

M&Aと聞くと「会社の乗っ取り」を連想される方もいます。

しかし、事業承継協議会や中小企業庁もM&Aが中小企業の事業承継のための3つの有効策の中の1つに位置付けている中心的な方法です。

※平成23年11月中小企業庁「事業承継ガイドライン2929答」を参照

 

 

M&Aという言葉を聞いたりすると、年配の方などアメリカかぶれの連中が他人様の会社を乗っ取る積りなのか? という気持ちを持つ方も多いと思います。 

しかし、親族に事業承継者がおらず、外部や従業員に事業承継することが事実上困難な経営者にとって事業承継策として残された随一の手段です。

 

事業承継協議会がまとめた「事業承継ガイドライン~中小企業の円滑な事業承継のための手引き~」でもその21ページにM&Aが有効な事業承継策であると紹介しています。

 

事業承継ガイドラインによれば、M&Aのメリットとして2つ挙げています。 

1つ目は、身近に後継者に適任なものがいない場合でも、広く候補者を外部に求めることができる。 

2つ目は、現経営者が会社売却の利益を獲得できる。

 

また、事業承継ガイドラインによれば、M&Aのデメリットとして以下の2つを挙げています。 

1つ目は、希望の条件(従業員の雇用、価格等)を満たす買い手を見つけるのが困難。 

2つ目は、経営の一体性を保つのが困難。

 

そして経済産業省がとりまとめた「事業承継ガイドライン」は、『従来、中小企業にとってM&Aはなじみの薄いものと思われがちでしたが、最近では未上場企業が関連するM&Aの件数は増加傾向にあり事業承継の方法としても浸透してきています。』とM&A件数の推移の表まで掲載してM&Aを紹介しているのです。

 

このようにM&Aは経済産業省も中小企業の事業承継のための3つの有効策の中の1つに位置付けている中心的な有効策なのです。

 

 

これらの事業承継策のいずれにも共通することですが、承継計画の立案から実行までを自社単独で行うことは困難です。 

早い段階から、専門家に相談なさることが重要です。