Q8、利回りについて

「利回り○△%」という不動産広告を経済紙等で見かけます。しかし、業者によって利回りに開きがあります。どうしてなのでしょうか?



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利回りとは、不動産から生み出される収益のその不動産価額(または投資額)に対する割合を言います。

不動産価額(または投資額) × 利回り ≒ 収益額

という関係式で表すことができます。

利回りには

・グロス利回り(表面利回り)、

・ネット利回り(実質利回り)、

・還元利回り、総合還元利回り、

・自己資本期待利回り、

・借入金利回り

等種種の利回りがあります。

また、それぞれの意味が異なりますから注意が必要です。

ここでは、一般的に使用されるグロス利回り(表面利回り)とネット利回り(実質利回り)について説明します。

(1)グロス利回り(表面利回り)

グロス利回りとは、投資金額に対する総収入の割合です。総収入には総費用が含まれています。

したがって、見せ掛けの利回りとも考えられます。表面利回りともいいます。

例えば土地・建物から構成される1億円の不動産を購入したとします。

満室状態では家賃収入等が1千万円、維持管理費、固定資産税等の公租公課、損害保険料等の総費用が3百万円かかったとします。

不動産価額(投資額) × 利回り ≒ 収益額

ですから

1億円   ×   X%   =   1千万円(粗収入)

です。この式を展開すれば、X%は10%だということが理解されます。

ただし、この10%には費用が含まれていますので、粗収入1千万円全てがあなたの手元に残るわけではありません。あくまで総収益が投資金額に対して何%あったのかを示しているだけです。


(2)ネット利回り(実質利回り)
  
 ネット利回りとは、投資金額に対する純収入の割合で、総収入から総費用を控除したものが純収入です。実質的な利回りと考えられます。実質利回りともいいます。

上記の例では、純収入は(1千万円 − 3百万円 = 7百万円)という計算から7百万円が純収入ということです。

したがって、この上記の式を展開してX%は7%だということです。

(ただし、いずれも満室の場合)

このように同じ物件でもグロス利回り(表面利回り)を使うかネット利回り(実質利回り)を使うかで利回りが10%と7%と違いが生じます。

一般の方に不動産投資を呼びかける広告はグロス利回り(表面利回り)を使って高利回りを謳っていることをよく見かけますので十分注意が必要です。

また、次の2点にも注意してください。

@表面利回りが建物建設費に対する利回りだけの場合

 地主さん向けに高利回りを謳っている広告では、建物建設費に対する総収益の割合で表面利回りを示している場合が多い傾向にあります。

この場合、投資金額に土地の金額が含まれていませんので利回りが高くなるのは当然です。

しかし、土地は現金をだしていませんが現物出資していることになりますから、利回りは総収入を(土地+建物建設費の合計額)で割ったものがグロス利回り(表面利回り)だということに注意してください。

A空室損や貸倒準備費を考慮していない場合

アパートやオフィスビル経営を行う場合、必ずついて回るのが空室損と貸倒れ損です。

空室損とは、言葉のとおり空き部屋が生じて賃料が入ってこない状態をいいます。

貸倒れ損とは、賃料を踏み倒されることをいいます。

貸倒れ損は、入居者を十分吟味することである程度は防げることができます。

しかし、空室損は地域における需給動向等の影響を受けますから、高利回りという言葉を鵜呑みにしないほうが賢明かもしれません。